名前から料理を想像する楽しみ
自分でフレンチを料理することはまずないし、別に料理法を覚える必要はないと考えるのは間違いかもしれません。
なぜなら、フレンチの料理法をある程度知っていると、メニューを見た時にどんな料理か想像が付きやすくなるからです。
日本料理で例えれば、刺身、煮物、炒め、揚げなど、素材が何であれ言葉からどのような料理かは、ある程度想像できます。
そうしてメニューから想像した料理と、実際に運ばれて来た皿とにギャップがあれば、嬉しい誤算やわくわく感にもつながるはずです。
もちろん、歴史あるフレンチの手法だけでなく、現在のシェフが試行錯誤して生み出した新しい手法などもありますので、すべては把握出来ません。
ただ、まったく知らないのとある程度知っているのとでは料理の楽しみ方が変わりますから、是非覚えておきたいものです。
代表的な調理法を知っておこう
それでは、フレンチで良く登場する代表的な料理法を紹介しましょう。
まず、日本でもよく知られる酢漬けのマリネ、温かいとろみのあるスープがピュレ、冷やして固めるとジュレです。
パンと一緒に食べることが多いのがテリーヌで、肉や魚をすりつぶして型に入れ、オーブンで焼く手法です。
温かいままだとパテ、冷製だとテリーヌになるのが一般的です。
フライパンでバターなどで蒸し焼きにするのがポワレ、ワインやだしなどを加えてオーブンで蒸し煮にするのがブレゼです。
ポワレは魚に、ブレゼは肉に良く使われます。
肉は他にグリエという焼く手法も多く使われ、これはいわゆるグリルと同じです。
焼く前にタレに漬け込むのがコンフィで、肉や豆を漬け焼きする時によく使われる手法です。
エチュベはフレンチで言う煮物ですが、水は加えず素材の水分で蒸して煮上げる手法です。
エチュベは水分を多く含む野菜の料理法として広く使われていて、肉料理に添える野菜はエチュベが多いです。
デザートではキャラメリゼという手法があり、砂糖を煮詰めて飴色にすることを指します。
調理法以外で知っておきたいもの
調理法ではありませんが、メニューを見ると良く目にするのがフロマージュです。
フロマージュはチーズのことで、フロマージュワゴンと言うと、様々な種類のチーズがたくさん乗せられたワゴンが登場します。
チーズ好き、ワイン好きにはたまらない光景でしょう。
もう一つ、フォンダン仕立てというものがありますが、フォンダンは調理法ではなく口融けを意味する言葉で、まろやかな舌触りを表す言葉です。
前菜やデザートのメニューで良く登場するはずです。
最後に、食後に出されるお菓子がミニャルディーズです。
日本でも大ブームになったマカロンやチョコレートなど、ちょっとしたミニャルディーズとお茶を飲んで、食後の一服になります。