フレンチのフルコースの起源はロシア
フレンチのフルコースと言うと一皿一皿何種類にも分けて出てきます。
日本ではどちらかと言うと食卓に複数のお皿が並べられるものなので馴染みのないスタイルに戸惑う方も多いかもしれません。
実は中世の頃のフランスも日本と同様、テーブルにたくさんのお皿が並べられるスタイルが主流でした。
ただ、たくさんの料理が並んでいると華やかではあるものの、せっかくの温かい料理は冷めてしまうという問題が出てしまいます。
温かい料理は温かいままに、冷たい料理は冷たいままに、できたてのおいしい料理をもてなしたいという思いから、フランス出身のロシア貴族のお抱え料理人であったユルバン・デュボアがロシアから帰国した際、自ら起ちあげたお店で今の一皿ずつサーブするスタイルを提案し、それがフランス中に広まっていったとされています。
フルコースの流れを知っておこう
フルコースには順番があります。
今回は基本的な順番を紹介していきます。
まず、アミューズブーシェ。
こちらは日本で言えばお通しに似たようなもので、前菜を食べる前に食前酒とともにいただくお料理です。
お店によってはこのアミューズブーシェがないお店もあります。
その後にオードブル、つまり前菜です。
食欲をそそらせるためにあるお料理であるため、彩りがよく、軽めのお料理が提供されます。
次にポタージュ、もしくはスープが出ます。
季節によって温かいもの、冷たいものが提供されています。
この後にだいたいのお店でパンがサーブされます。
その後はポアソン、魚料理です。
次に肉料理が続くこともあり、あまり味付けも濃いめのものは少ないお店が多いようです。
また、魚は淡白な味の白身魚が用いられています。
次にソルベ、つまりシャーベットがサーブされることで、口の中を一旦リセットしてさっぱりさせてくれます。
ヴィアント、肉料理です。
牛、鶏、豚、羊などの肉が使われています。
その次にフロマージュ、チーズが2.3種類ほど提供されます。
ワインと一緒にメインを楽しんだ後のお口直しにぴったりです。
そして終盤に近づき、デセール、デザートが出てきます。
ケーキやフルーツが美しく飾られて見た目にも楽しめますよね。
最後にプティフールとカフェです。
プティフールは焼き菓子で一口サイズでコーヒーと合わせて簡単に楽しめるメレンゲやギモーヴなどが合わせられます。
フルコースの流れには重要な役割もある
フルコースの順番は健康において計算された流れに沿ったものでもあります。
ヴィアントの前にポアソン、魚料理が来ることで消化を促すことができるようになります。
メインの前に魚料理を食べるにも意味があるのです。
また、ヴィアントの付け合わせに野菜が彩りよく並べられますが、これもフレンチの中でも重めの肉料理の消化を補助する効果があり、同じお皿に付けられています。
肉料理の後のデセールは、甘いデザートを食べることで胃から腸の方へ押し出す作用があるとして最後に甘いものをサーブするという流れになっています。
フレンチは、まさに健康に関する緻密な計算もされている素晴らしいコース料理なのです。